大谷翔平のトレーニング

大谷翔平のトレーニング

大谷翔平選手が今年からメジャーリーグのエンゼルスでプレーします。

投手としても野手としてもプレーする二刀流でいくと監督も公言していますが、かなり黄色信号な様に感じます。

理由は肘の怪我です。

大谷翔平選手の肘の状態をチェックすると相当に負担がかかってきて危ない状態です。

投手として20先発したと仮定すると、今のままだと1シーズンもつかどうかも怪しく感じます。
3シーズン以内に大きな肘への負担が溜まり怪我を発症する可能性を高く感じます。

大谷翔平選手に面識はありませんが、勝手に彼の為のトレーニングメニューを考えたりしてます。

大谷翔平選手は下半身から上半身そして腕からボールと連動して使う能力に長けています。
特に股関節と肩甲骨の柔軟性は彼の身体的特徴を上げる上で最も最たる部位だと思います。

この写真で特に分かりやすいのですがボールを投げる前に力をためている時に腕がかなり体に近いところになります。

こういった投球フォームの投手(ダルビッシュ選手や広島の薮田選手など)は下半身の筋力、瞬発力を使って投げる投手です。
そしてその力が上に伝わるので腕がムチの様になります。

更に前足の股関節を力強くつっかえ棒として使い、
腕がもの凄い勢いで出てくるので日本人として前人未到の165kmという異次元のスピードボールを投げれています。

しかし、それだけ各関節には大きな負担が掛かります。

そして大谷翔平選手の場合は肩と肘です。

メジャーリーグの滑りやすいボールを扱う事も影響が更に出る要因にもなるかもしれません。
それを抜きにしても、トレーニングシステムを変更しないと
肘の内側と肩関節に負担が掛かり長期離脱の怪我をしてしまう可能性が高いです。

具体的にどういったトレーニングが必要かというと下半身から上半身へと力を伝えてきた物をブレーキをかける筋肉が不足しています。
筋肉で言うと上腕二頭筋、腕橈骨筋、ローテーターカフ、上腕筋辺りになります。

ただしこの部位の種目をそれぞれをアイソレーション(他の筋肉が働かないように隔離する)させて行うのではなく連動させる目的で行うことで、
連動してブレーキが掛けられるようになり肘や肩への負担が軽減されやすくなります。

種目で言うと、

①ケーブルを使ったスコットカールをローテーターカフを機能させながら行うのを肘の位置をナローにしたりワイドにしたりしながら行う。

②手の甲側から曲げていくバックハンドカール。これは主働筋が腕橈骨筋、上腕筋になり連動して上腕二頭筋や小円筋、棘下筋が働きます。

③キックバックを肩関節の外旋、内旋両パターンで行うことでローテーターカフとの協調性も高まります。

野球やテニスの競技は特にこういったやり方のトレーニングが大切です。
競技特性としてただ腕を太くするメリットはないですので、闇雲に上腕二頭筋、三頭筋をトレーニングしてもマイナスになってしまいます。

こういった種目を他のトレーニング種目の中に上手くスパイスとして組み込んでいくことがトレーニングメニューを作る醍醐味だと感じます。

トレーニングメニューにはそれに伴う哲学がなければいけない。
必要なトレーニング種目をどう調理するかはトレーナーの力の見せ所だと思う。

私はトレーニングを良く料理に例えますが、いくら良い食材があっても調理の仕方を間違えたら台無しです。
素晴らしいトレーニング種目にはそれだけの調理方法が必要です。

今回は長くなり過ぎるので全てのトレーニングメニューは書きませんが、答えはいくつもあると思います。

オリンピック真っ只中ですが、小平奈緒選手が金メダルを取り、一本下駄や古武術がピックアップされています。
だからといって腕の種目を0にしていいわけではありません。
一本下駄や古武術など、どんどんアスリートは色んな物をやってみることは大切ですし実際に素晴らしいものなので取り入れられたらいいと思います。

しかし、こういった基本的な神経系を高めておく必要がある所をトレーニングで開発をしておかないと結局使う部位に偏りが出てしまい怪我に繋がります。

ブレーキングマッスルという意味で腕のトレーニングをしておかないと大谷翔平選手の肘、肩には大きな負担がかかってきてしまいます

一流の世界で成果を出すにはこれでもかというくらい毎日毎日自分の身体と向き合い、その競技のやり方を考える必要があります。

いろんなトレーニングがある中でこれはダメとやる前から決めつけてしまうと足踏みをしてしまう原因になり得ます。

ダルビッシュ選手はとても身体について勉強をしていて他の選手にとても良い影響を与えてくれているように感じます。
ダルビッシュ選手に感化されどんどん勉強熱心な野球選手が増えていくと球界全体も良い流れになってくると思います。

トレーニングは奥が深い。
だから一生突き詰めていける。

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